ステージの脇の席にいた(つまり、早くから来ていたお客さんたち…)の一人が
最後の曲が終わるやいなや、
「あ~、眠かった…」と誰に言うともなく(思わず)といった感じで 呟いた…
恐らく バンドでそれを(聞いた)のは 僕ひとりだっただろう…
そういえば 以前、スーパー銭湯なるモノの宴会場で毎月演奏をしていたことがあったが…
そのときも 役得として風呂に入ったら
「あ~あぁ…JAZZ聴いたら 肩凝っちゃったなぁ…」と湯船で慨嘆する方がいたなぁ…
こっちの素性は(バレてはいなかったようだったけれど)すこし居心地がわるくなった…
どちらも 所謂 ジャズジャズしないように 選曲や長さ等々…工夫したつもりだった(主にリーダーが)のだけれど…
でも…
僕自身が 演奏を聴きに行って 寝ちゃったこともあるし…
⇒何とか踏み留まることが できた時もあるけど…
「噺」を聞きに行くと、なぜか猛烈に眠くなるときもあったりして…
居眠りして起きたときの 取り繕いが(本人は何喰わぬつもりでも)みっともないのだろうなぁ…
電車、バス、映画館 なんかも同様だ…
そんなわけで、充分 お気持ちはわかる…
閑話休題)
その昔、僕が この世界に足を踏み入れた頃…(大袈裟だな…)
まだ、夜店がたくさんあって バンドマンが街にあふれていた(今から思えば)…
⇒とっくにジャズ・ブームなんてのは終わっていて…
所謂 ゴトシのメンバーの中でも JAZZを目指したりしているのは一握りだった、と思う…
ジャズ喫茶 周辺に行くと(恰も)盛況な風でも 現実には
「大マイナー」な世界だった…
それでもJAZZ(等)に憧れや尊敬をもっているモノは多かった…が
大半は「どうせ、俺らには(いろんな意味で)無理…」と諦めていた…
つまり 映画は好きでも自分が映画スターになんかになれっこない…といった感じで
…
時々、僕以外はもう(諦めきって生活にも疲れて…)みたいなオトナたちのバンドに入ると それこそ絶望的な感じで…
「こうはなりたくないなぁ…」なんて思った…
キャバレーの控室では 将棋盤を囲むヒトたち、カーポーやオイチョカブをやるヒトたち、ホステスをかまうヒト…話題は主にスポーツ新聞のギャンブルや芸能界のゴシップネタ…
だけど、主に若手は 休憩時間に近所のジャズ喫茶に行って(ときには 養老乃瀧だったりもした…)先輩たちは 上手いヒトとやることや名盤を聴くことを (勉強する、勉強になる…)なんて言い方をしていたなぁ…
仕事前に ジャズ喫茶に行き 休憩にも行き 打ち合わせや待ち合わせにも、終電を逃して始発待ちのときも…いろんな(ジャズ喫茶)があった…
⇒でも 別に JAZZが流行っていた…というわけではない(少なくとも一般的には)
※個人的にも なんのことやら…? というのが正直なところで…
新宿界隈には 芸術家や学生たちが集まるジャズ喫茶があったし、銀座、赤坂、六本木、なんかには お客も出演者も 大人 な「ジャズ・クラブ」なるものがあり…
どっちも (一見さんお断り)風で 素人が気軽に入れるムードではないなぁ…と思った…
何かの縁で 時々はお声がかかってきて 行ってはみるが 何もかもが チンプンカンプンで…
当然、怒られたり無視されたりバカにされたり…小僧っ子扱いで(そりゃ、本当に小僧っ子なのだから)めずらしくもあり 違和感にあふれた世界 でしたが…
それらが…
まぁ、この ズタボロのスタート といったようなことで…m(__)m
でも当時の大人たちは 精々 四十代といったところだったんだなぁ…
そして、…
今の超高齢化社会では (ひよっ子)の
我々(あっし)の会話は 主にお互いの病気自慢、友人の消息、ボヤキ…等々…
俺なんかは 当時の(僕の眼)から見たら どんなふうなんだろうねぇ…
あの(なりたくなかった)オトナたちのひとり になったのかなぁ…
成熟とは程遠いし、まだ諦めきってはいない つもりだけど…
身近に見る ファンのかたやアマチュアの方々の 入れ込みぶりは、まるで大盛況のような錯覚をおこしそうになるけれど 実はそれはホンの一部のことなんだろうな…と思う…
あっ!そりゃ、僕の知らないもっと(ちゃんとした世界)もあるのだろうけどね!
。(。。)\バキッ☆